【遊戯王】手札誘発
このブログは読んだ人に嫌な気持ちになってもらうためのものです。
今回は某コンテンツの話はしません。
本日のテーマは遊戯王OCGの手札誘発カードです。
筆者はタッグフォース6をプレイした程度の知識しかございません。
①遊戯王の概要
遊戯王オフィシャルカードゲーム(以下遊戯王OCG)は高橋和希氏の漫画「遊☆戯☆王」に登場するカードゲームを元にしてKONAMIが商品化したものです。
相手のライフポイントを0にしたら勝ちというよくあるルールのカードゲームです。
カードゲームとしての特徴はクイックエフェクト。
発動条件を満たせばどのタイミングでもカードの効果を使用できます。
デュエルマスターズやポケモンカードゲームなどと異なり、相手ターンでもアクティブにプレイすることができるということです。
遊戯王シリーズのアニメを見たことがある方なら罠カードというのをご存知ではないでしょうか?
A「モンスターでアタック!」
B「かかったな!リバースカードオープン!聖なるバリア-ミラーフォース-!」
A「何!?」
といった展開をみたことがあると思います。
このとき、ターンプレイヤーはAですがBはAの攻撃に合わせてカード効果を発動しています。
これがクイックエフェクトです。
聖なるバリア-ミラーフォース-
通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。
相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。
このように、相手ターンでもカードを使える。遊戯王OCGの持つ特異性はここにあります。
え?マナコストがない?知りません。
②手札誘発
手札誘発はクイックエフェクトのひとつです。
通常、罠カードや速攻魔法カードなどのクイックエフェクトを相手ターンに使用するには一度フィールドにそのカードを裏側で出さなければなりません。これをセットと呼びます。
そして相手にターンを渡し、発動タイミングを満たせば表向きにして効果を使用する。
相手からすれば伏せられたカードを警戒してターンを行うことになります。
このセットするカードはクイックエフェクトを持たない通常魔法カードなどでもオーケーですので、セットカードを警戒させて時間を稼ぐ所謂ブラフといった駆け引きも生まれます。
一方、手札誘発は効果タイミングを満たしたとき、手札から直接効果を使うことができます。
伏せて使用するクイックエフェクトよりも奇襲性に優れています。
また、事前にフィールドに出す必要がないため、先攻1ターン目でも後攻側のプレイヤーが先攻プレイヤーに対してカード効果を使うことができます。
こういったことが手札誘発の特徴です。
③手札誘発の歴史
手札誘発の歴史は長いです。
遊戯王OCG初の手札誘発はクリボーでしょう。原作の主人公武藤遊戯のパートナー的カードであり、未だに姉妹カードが登場する遊戯王界のマスコットです。
効果モンスター
星1/闇属性/悪魔族/攻 300/守 200
(1):相手モンスターが攻撃した場合、
そのダメージ計算時にこのカードを手札から捨てて発動できる。
その戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。
モンスターの攻撃によって受けるダメージを無効化します。
罠カードでは和睦の使者、威嚇する咆哮などモンスターが戦闘破壊することも防げたり、攻撃そのものを封じたりしてくれますが、クリボーは手札から直接使えるので相手の計算を狂わせやすいです。
もちろん、不利を覆すというよりかは延命するためのカードですので強いカードかと言われればそうではないと思います。
そして時代は遊戯王GXへ。
この頃から手札誘発カードは単なる延命処置ではなく一発逆転のカードになります。
まずオネスト。
効果モンスター
星4/光属性/天使族/攻1100/守1900
(1):自分メインフェイズに発動できる。
フィールドの表側表示のこのカードを持ち主の手札に戻す。
(2):自分の光属性モンスターが
戦闘を行うダメージステップ開始時からダメージ計算前までに、
このカードを手札から墓地へ送って発動できる。
そのモンスターの攻撃力はターン終了時まで、
戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする。
光属性モンスターの戦闘時に手札から捨てることで攻撃力をアップするというもの。
表記がめんどくさいことになっていますが、要は相手モンスターの攻撃力を必ず上回ることができるということです。守備表示?知らね。
相手の大型モンスターの攻撃に対して発動できれば返り討ちにして形勢逆転を狙えます。強力なカード故に一時は制限カードに指定され、デッキに1枚しか入れることができませんでした。
もう一つ、強力な手札誘発。冥府の使者ゴーズです。
効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻2700/守2500
自分フィールド上にカードが存在しない場合、
相手がコントロールするカードによってダメージを受けた時、
このカードを手札から特殊召喚する事ができる。
この方法で特殊召喚に成功した時、受けたダメージの種類により以下の効果を発動する。
●戦闘ダメージの場合、自分フィールド上に「冥府の使者カイエントークン」
(天使族・光・星7・攻/守?)を1体特殊召喚する。
このトークンの攻撃力・守備力は、この時受けた戦闘ダメージと同じ数値になる。
●カードの効果によるダメージの場合、
受けたダメージと同じダメージを相手ライフに与える。
相手のカードによってダメージを受けた際に手札から高い攻撃力を持つこのモンスターをフィールドに出すことできます。
また、受けた戦闘ダメージと同じ攻撃力のモンスターを生成、受けた効果ダメージと同じダメージを相手に与えるなど、場に出た時の効果も強力です。
このように、手札誘発は守りから攻めに転じるカウンターカードとしての側面を持つようになってきました。
そして遊戯王5Ds。
手札誘発カードはついに相手の行動を妨害するカードとして完成されます。
代表的なカードをいくつか。まずはエフェクト・ヴェーラー。
エフェクト・ヴェーラー
チューナー・効果モンスター
星1/光属性/魔法使い族/攻 0/守 0
(1):相手メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ送り、
相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。
その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。
相手のメインフェイズ(ターンプレイヤーがクイックエフェクトでないカードも好きに使えるタイミング)のみですが、相手モンスターの効果を無効にすることができます。モンスター効果による展開を防ぐことができます。
この頃から先攻展開を防げないとそのまま負けるという事態が増えてきてしまい、「ヴェーラー握っていないのが悪い」とまで言われるようになりました。
先攻1ターン目の展開を後攻のプレイヤーが妨害するには手札誘発しかありません。なので手札誘発カードには妨害札としての役割が重視されるようになりました。
続いてD.D.クロウ。
D.D.クロウ
効果モンスター
星1/闇属性/鳥獣族/攻 100/守 100
(1):このカードを手札から墓地へ捨て、
相手の墓地のカード1枚を対象として発動できる。
そのカードを除外する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
相手の墓地のカードを除外することができます。除外ゾーンに送られたカードは復帰させることが難しくなるので非常に強力です。
墓地からモンスターを蘇生して展開するデッキが増えたことにより、その対策として使われました。
そして遊戯王OCGプレイヤーでなくても名前は聞いたことあるであろうカード。増殖するG。
増殖するG
効果モンスター
星2/地属性/昆虫族/攻 500/守 200
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できず、
相手ターンでも発動できる。
(1):このカードを手札から墓地へ送って発動できる。
このターン、以下の効果を適用する。
●相手がモンスターの特殊召喚に成功する度に、
自分はデッキから1枚ドローしなければならない。
このカード自体には妨害する能力はありません。ですが遊戯王OCGにはマナコストという概念がないので手札が多ければそれだけできることが増えます。
相手からすればドローさせないために展開をやめるという選択肢がでてきます。
このように相手にプレッシャーを与えるだけでも強力な効果なのです。
そして遊戯王Arc-Vにて大手札誘発時代を迎えます。
その契機となったのが幽鬼うさぎ。
幽鬼うさぎ
チューナー・効果モンスター
星3/光属性/サイキック族/攻 0/守1800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):フィールドのモンスターの効果が発動した時、
またはフィールドの既に表側表示で存在している魔法・罠カードの効果が発動した時、
自分の手札・フィールドのこのカードを墓地へ送って発動できる。
フィールドのそのカードを破壊する。
エフェクト・ヴェーラーとの違いは効果を無効にできない代わりにカードを破壊できること、そして相手メインフェイズでなくても使用できる点です。
このカードはフィールドでも効果を発動できるので他の手札誘発とは一線を画した使い方ができました。
この後、手札誘発妖怪幼女シリーズが登場します。
浮幽さくら
チューナー・効果モンスター
星3/闇属性/アンデット族/攻 0/守1800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):相手フィールドのモンスターの数が自分フィールドのモンスターより多い場合、
このカードを手札から捨てて発動できる。
自分のEXデッキのカード1枚を選んでお互いに確認する。
その後、相手のEXデッキを確認し、
選んだカードの同名カードがある場合、その相手の同名カードを全て除外する。
この効果は相手ターンでも発動できる。
このカードの登場時期の頃はEXデッキ(条件を満たすことで場に出せるモンスターをデッキとは分けて置いておく場所)のモンスター1種類に勝ち筋を絞ったデッキが台頭していました。そういったデッキへの対抗策として使われていました。
そして手札誘発界に激震が走る。灰流うららの登場です。
灰流うらら
チューナー・効果モンスター(準制限カード)
星3/炎属性/アンデット族/攻 0/守1800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):以下のいずれかの効果を含む魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、
このカードを手札から捨てて発動できる。
その効果を無効にする。
●デッキからカードを手札に加える効果
●デッキからモンスターを特殊召喚する効果
●デッキからカードを墓地へ送る効果
高速化した遊戯王環境においてはこのカードが腐ることはほぼないと言っていいです。
ヴェーラーと異なり、モンスター効果だけでなく魔法・罠カードの効果も無効にできます。
相手の展開を妨害するカードの最適解的な存在です。
強力すぎる効果故、2018年6月現在では準制限カード(デッキに2枚まで)となっています。
さて、手札誘発は時代とともに様々なデザインのカードとして変化してきました。
まとめると
- 初期の手札誘発は延命カード
- 延命カードから一発逆転カードへと変化
- カードパワーがインフレした現在では妨害カード
ってとこでしょう。
④手札誘発の現在
手札誘発カード。強力な効果を持つカードが増えてきました。
そんな中、手札誘発カードへの対策カードというものまで出てきましたね。
墓穴の指名者
速攻魔法
(1):相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターを除外する。
次のターンの終了時まで、この効果で除外したモンスター及び
そのモンスターと元々のカード名が同じモンスターの効果は無効化される。
見切りの極意
カウンター罠
(1):相手の墓地のカードと同名のモンスターの効果・魔法・罠カードを相手が発動した時に発動できる。
その発動を無効にし破壊する。
先攻展開、それを対策する手札誘発、さらにそれを対策する墓地効果無効。完全にイタチごっこです。
遊戯王OCGでは強力なカードには常に対抗手段が、そして対抗手段すら作れないほどの強力なカードの場合はリミットレギュレーションにより、制限カードや禁止カードに指定することで競技性を損なわないようにします。
うだうだ書きましたが。
この辺が手札誘発についてのなんとやらです。
落ちはないです。
続きの記事でオチをつけます。
お疲れさまでした。